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1月17日のまにら新聞から

創造主の怒りか タールとピナツボ火山の噴火

[ 774字|2020.1.17|社会 (society)|新聞論調 ]

 3カ月間活動を控えていたタール火山が突然噴火したことを比地震火山研究所は説明できなかった。実際に起きている噴火の程度や危険性を説明することはできるかもしれないが、予測することはなかった。それは1991年に500年の眠りから覚めていきなり大噴火し、パンパンガ州とサンバレス州の多数の市町を泥流で埋め尽くしたピナツボ火山にも言えることだった。

 ある有名なキリスト教説教師はピナツボ火山の噴火は人ではなく神の仕業だと説明した。しかし、古くから聖人像や教会美術を制作することで知られる町があるパンパンガ州にどうして神は突然、怒りをぶつけたのだろう。われわれは地球の創造主である神にその答えを求めるべきだ。聖書には神が怒りから、大地震を起こすことがつづられている。

 ピナツボ大噴火の3カ月前、比上院では比米基地協定の更新を拒否する上院決議に関する投票が行われた。50年近くパンパンガ州クラーク空港とサンバレス州スービック湾にあった米軍基地の閉鎖につながる決断を上院は下した。米軍基地が「小さな褐色の弟」である国から追い出されることに、ワシントンは国際的な恥辱を感じ反発した。比最高裁が上院の決断を支持した後も、米軍はCIAの画策や膨大な資金源などを駆使して比政府に圧力を行使し、基地協定の見直しを求めた。そんな時期にピナツボ火山は怒りを爆発させ、米兵やその家族たちを国外へと追い出したのだった。

 聖書の世界感からみると、1990年に大地震が起きたバギオにおいても神が憎悪するオカルト的な民間信仰が大手を振って蔓延(まんえん)していた。聖書では死者やその他の精霊などとの交信は明白に禁止されているのだ。タール火山の噴火がマニラにおける毎年恒例のブラックナザレ巡行の3日後に起きたことも単なる偶然ではないだろう。(15日・マラヤ、ドディ・ラクーナ)

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