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12月1日のまにら新聞から

参加国が称賛する運営を 東南アジア競技大会

[ 647字|2019.12.1|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピンの将来性や可能性を他国に知ってもらう場でもあったスポーツイベント、東南アジア競技大会(シーゲームス)が「飢餓ゲーム」だと蔑まされている。問題を指摘したのは外国人選手だけでなく、比人選手も同様だった。キキャム(鳥ソーセージとホテル側は指摘)と卵では、激しい身体活動を行う選手の体力を支えるのに不十分だろう。

 比に到着した参加選手たちは困惑した状況を記者会見の場やソーシャルメディア上で伝えた。選手たちの写真や動画がそれを物語っている。

 マニラ空港で8時間も迎えを待つチーム、誤ったホテルに連れて行かれたチーム、チェックインの遅れからホテル別室の床で眠る選手たち。国際的な競技大会に向けて休息と練習のための彼らの貴重な時間が、比に来て失われた。ネット上では「比人選手を試合で有利にする策」との憶測まで飛び出している。こうした声を跳ね返すには、主催国としてゆるぎない努力が求められる。

 メイン会場のはずだったニュークラーク市スポーツ複合施設の建設費用30〜60億ペソは納税者が負担した。しかし、同施設での競技は少なく、大多数は民間会場で実施することになった。今競技会用に5千万ペソをかけて建設され、物議を醸した聖火台も、開会式会場の変更によって用途が危ぶまれている。

 クリスマス前の首都圏の渋滞は競技会の交通規制もあって悪化の一途を辿っている。税金を贅沢に注ぐのであれば、国民に恥辱を与えるような運営ではなく、参加国が賞賛する運営をするべきだろう。(11月27日・スター)

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