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8月23日のまにら新聞から

称賛すべき「クレイジー」 ジーナ・ロペス死去

[ 766字|2019.8.23|社会 (society)|新聞論調 ]

 愛称ジーナことレジーナ・ロペスに筆者が最初にインタビューしたのは1997年。その時、ABS─CBN基金のトップであったジーナについて筆者はこう書いた。「基金の最高責任者として、43歳のジーナは毎年150万ドルを、教育番組や家のない子どもたち、災害の被害者のために費やす。彼女は18歳で家を飛び出し、11年間アフリカに暮らした。彼女は、400万人の子ども達に学びの道具としてテレビが届くように、4000台のテレビを52か所に送ったこともある」

 筆者は、富や特権を捨ててインドやアフリカに逃れ、ヨガや瞑想にふけるジーナをクレイジーだと思っていた。今月19日、彼女が早すぎる死を迎えた後も、筆者はやはり彼女を変わり者だと思っている。そして、だからこそ彼女を称賛するのだ。

 ロペス家は、典型的なエリート富裕一家だ。彼女はそれでも支配者層にあらがった。既得権益層と闘うなど、クレイジーにならなければできない。まず勝てはしないからだ。彼女がドゥテルテ政権下で環境天然資源長官の座を追われたのもそのためだ。

 ロペス一族が供給しているのは電力や水、放送などだが、彼女はそれらが無い場所でも暮らした。2016年の記事でその頃を振り返っている。

 「ケニアでは、水のために並ばなければならないスラムで過ごしました。そこで水の価値を理解したのです。使えるのはバケツ一杯の水だけ。多くを持たない時、人はそれを大事にします」

 最後に彼女の次の言葉で締めくくりたい。「人生はあなたがそこから何をつくり出すか、人生経験はあなたがそれをどう見るかです。人が高潔さと奉仕に献身しようとすればそこにはいつも神の力の助けがあります。同様にネガティブな力も私たちの中にあります。それに自覚的でなければなりません」(21日・スタンダード、トニー・ロペス)

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