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8月16日のまにら新聞から

スポーツを学校教育の柱に 国立スポーツ学校創設法案

[ 811字|2019.8.16|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピン人は世代ごとにさまざまなスポーツやゲームを楽しんできた。かつての野球やバスケットボールから、最近のオンラインゲームまで、われわれはスポーツが大好きだ。そして国造りに関する若者の役割を考える時、規律やチームワーク、努力することの大切さを教えるスポーツは極めて有効なツールとなる。教育省もスポーツの大切さを認識しており、義務教育12年制を導入した際に追加された高等学校の2年間の課程にスポーツ専修コースを加えている。国体なども定期的に開かれ、公立学校でのスポーツ教育の機会が重視されている。

 国造りの一環としてスポーツを見る場合、参考になるのがキューバだ。この国ではすべての教育レベルでスポーツが中心科目の一つとなっており、さまざまな政府機関や団体と連携して強化が図られている。特に国家スポーツ・体育教育・レクリエーション委員会(INDER)が中心的役割を担っている。才能ある若い競技者を夏の全国ジュニアオリンピックなどでスカウトし、スポーツカリキュラムを中心とする専門学校に送り込むのだ。その結果、キューバは夏季オリンピックで過去226個のメダルを獲得している。また引退したキューバのスポーツ競技者やコーチ、トレーナーらが外国に招かれているケースも多く、国が頭脳流出を阻止すべく対応を迫られているとも聞く。

 キューバは比とも文化的、歴史的に共通点が多く、この国のスポーツ政策を取り入れる価値はあるだろう。ドゥテルテ大統領も施政方針演説でスポーツの重要性に触れたことから、筆者は最近、上院議会に国立スポーツ学校の創設を盛り込んだ法案を提出した。これは比人学生たちにスポーツや競技を磨くための適切な教育の機会を与えるもので、最近施行された地方州ごとのスポーツ・トレーニングセンターの創設を盛り込んだ法律とも連携させることで、さらに有益な結果が期待されるだろう。(11日・ブレティン、ソニー・アンガラ上院議員)

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