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5月10日のまにら新聞から

貧困撲滅と雇用創出も重要だ 閣僚会議での水道省設置議論

[ 811字|2019.5.10|社会 (society)|新聞論調 ]

 ドゥテルテ政権が中間選挙に突入する。与党の勢いが強く、上院選でも改選12議席のうち野党候補が確保できるのは1議席にとどまるとみられている。通常、中間選挙では与党候補が6議席、野党候補と無所属候補がそれぞれ3議席ずつを分け合ってきたのにだ。さらに驚いたことにドゥテルテ政権に対する支持率も81%と過去最高を記録したという世論調査結果も出た。

 ドゥルテ氏はなぜ人気があるのか。支持者たちが公約をやり遂げる大統領の政治的意思を評価する一方で、批判勢力はプロパガンダと大衆をごまかす機能が働いているためだと主張する。しかし、彼の人気はもっと構造的なものだ。私は著書「ドゥテルテの登場」の中で、強権的な指導者を求める国民の声をドゥテルテ政権誕生の要因とするいくつかの研究や調査を紹介した。2017年の学術調査によると、ドゥテルテが大統領に上りつめる直前に、比人回答者の60%近くが「議会政治や選挙を相手にしない強いリーダーを好む」という傾向を示していた。この傾向はドゥテルテと似た政治家を選んでいるトルコとインドで観察された数字と似ている。トルコのエルドアン大統領が「彼はわれわれの1人」というドゥテルテとよく似た選挙スローガンを使ったのもそうだし、インドのモディ首相も地方自治体の首長をしていた時に人権侵害を自ら拡大させたとして米国からビザ発給を10年近く禁止されている。

 民主主義に価値を置かない国民が増えている構造に加え、経済的な構造要因もある。2012年以降、比経済が順調に伸びていることがアキノ氏やドゥテルテ氏に対する高い支持率を説明している。そして三つ目の構造的要因は地理的なものだ。つまり、ミンダナオ地方出身者の支持が全国的な支持率を押し上げる要因となっているのだ。彼の政策や任期中の態度にかかわらず、これらの構造的要因が大統領の高支持率を生み出している。(7日・インクワイアラー、リチャード・ヘイダリアン)

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