最低賃金生活者の負担軽減を 最低賃金と基礎栄養摂取に関する調査
ポルトガルのオンラインショッピング運営会社がこのほど実施した2019年1月期における最低賃金に占める基礎栄養摂取費用の割合に関する調査で、フィリピンが81・3%を占め、52カ国中で51番目に最悪の状況にあることが明らかになった。比より状況が切迫しているのはナイジェリアだけだった。
同調査では基礎栄養摂取に必要なパンやミルク、卵やチーズ、肉や野菜など八つの基本的な食料を通じた栄養摂取に必要な1カ月分の食費を算出し、それが国ごとの最低賃金に占める割合を算出した。それによると、比では食パン10斤で774ペソ、コメ2・5キロで71ペソ、チーズ1キロで363ペソ、卵20個で130ペソ、鶏肉か牛肉6キロ分で1357ペソなどとなり、1カ月の最低栄養素を摂取する食費として4370ペソが必要と算定。一方、イロコス地域における事務職の最低賃金が月5376ペソだとしてそれを比における最低賃金と設定し、当該最低賃金に占める食費の割合が81・3%となったのだ。
同ランキングではオーストラリアとアイルランド、英国がこの最低栄養素摂取に必要な食費の最低賃金に占める割合が7%となり、最高位を占めた。また、オランダやスペイン、ドイツなどが同10%以下とかなり低かったほか、米国も14%だった。アジア諸国ではインドネシアが34・7%、マレーシアが37・2%だった。比も首都圏の最低賃金が対象とされた場合には、この2国の水準に相当するという。一方、ベトナムでは53・7%、タイで56・4%と比較的高くなった。
しかし、この調査では食費しか対象になっていない。人々はその他に住居費や光熱・水道費、交通費なども必要となってくるのだ。子どものいる家庭ではさらに負担が増える。昨年は比で物価高も進み、庶民の生活を直撃した。政府はこの最低賃金で生活する国民の負担軽減にしっかり取り組むべきだ。(4日・インクワイアラー)