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3月23日のまにら新聞から

聖週間はアンティポロへ 聖母像への巡礼の本当の意味

[ 723字|2018.3.23|社会 (society)|新聞論調 ]

 リサール州のアンティポロ教会では、来たる聖週間に向け、何千人もの巡礼者を迎える準備が進んでいる。例年通り、聖木曜日夜から聖金曜日午前がピークとなろう。この間、マニラ首都圏やルソン島の周辺地域から、伝統的な徒歩での巡礼「アライ・ラカッド」の大小のグループが集まるのだが、その数は年々増えている。

 市民はこの巡礼を、主イエス・キリストがゴルゴタの丘まで十字架を背負っていったことを追想する方法としている。それに加えて、「アンティポロの聖母」の存在がある。

 もともと聖週間にアンティポロを訪れる理由は幾つかあり、一つは低地より涼しい気候があった。休憩所や祈りの場も多数設けられる。

 そして、新たな理由は、数日前に再開された国家霊廟資料館だ。宗教や歴史に関心がある人は必ず訪れてほしい。

 資料館は聖堂の上階にあり、彫刻や宗教画、聖母の衣装等の遺物が収蔵されている。この資料館の再開は、アンティポロ聖母像の比到着400年を祝う準備の一環とされている。

 当地への巡礼の理由は他にもある。「巡礼」について深く考えさせられることだ。聖母は、アンティポロで最も人気のある異邦人である。あえて故郷から離れ、新たな地を自分の故郷として生きる者のことである。 聖母像の故郷はメキシコのアカプルコであったが、まるで神の意志のように、苦難の旅を乗り越え、この地を新たな家とされたのだ。

 聖母像は、我々が皆「この世の異邦人」だと思い起こさせてくれる。聖母が危険なガレオン船で太平洋を渡ったように、混乱と危険に満ちた巡礼のなかにある。勇気を持ってこの人生の巡礼に船出するよう、聖母は我々を励ましてくれているのだ。(17日・ブレティン、ジュン・イナレス)

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