数のゲームの現実 弾劾申し立て
上下院議長は、ドゥテルテ大統領の弾劾裁判を求めた申し立てには根拠がなく、実現しないだろうとコメントした。確かに実現は難しいだろう。弾劾は数のゲームなのだ。議題は重要だが、多数決による判断が裁判所の決まりに従うわけではない。彼ら政治家が従うべきは憲法に書かれた過程なのである。
憲法11条の公務員の責任には「大統領、副大統領、最高裁の判事、憲法委員会の委員、行政監察院の職員は弾劾と、過失による憲法違反、反逆、収賄、汚職などの大罪と背信行為によりその職を失うことがある」と書かれている。
弾劾を始める力を持つは下院だけだ。弾劾の申し立てや承認は下院議員によってなされなければならない。その後、3会期日以内に適切な委員会に付託され、委員会は多数決で60会期日以内に報告書をまとめて提出する。下院の3分の1以上の議員で承認されれば、上院に送られる。上院では3分の2の議員の賛成で承認される。
政権寄りの下院議員が多数を占めており、委員会を通過するのは難しいだろう。下院議長はすでに弾劾に根拠がないと述べており、彼により弾劾の申し立ては速やかに却下される。
そのため、マグダロの国会議員は休会中に弾劾を申し立てたのだろう。聖週間が終わり国会が再開される5月2日まで申し立てが却下されることはない。結果、大統領の弾劾は、副大統領への弾劾とともにメディアで議論されている。
下院議長とダバオ市の上院議員によるとこれらの訴えに確かな証拠はない。だが、副大統領の弾劾は、大統領によって止められなければ、大統領の弾劾が不可能なのと同じく数により前に進むだろう。
法的に却下できない二つの弾劾はこれからも紙面をにぎわすかもしれない。われわれが望むことはこれらが注目を集めず、国家の安定に影響を及ぼす前にわきへ追いやられることだ。(23日・ブレティン)