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10月2日のまにら新聞から

目標と理由の説明を 国連調査団訪比

[ 711字|2016.10.2|社会 (society)|新聞論調 ]

 とどまるところを知らないドゥテルテ政権が進める麻薬撲滅対策の容疑者殺害は、国内外のメディアに広く報道されている。来週訪比する国連の人権調査団18人は、2日しか調査の時間がなく、おそらく短期間の中ではこれまでに報道されている内容以上のことは調査できないであろう。

 調査団の報告は、もしかするとメディアの報道とは相対するような遠回しなものになるかもしれない。しかし比政府も主張があるならば、調査団の訪比を、同政策の明確な目標とその理由を説明する機会として利用すればいいのではないか。

 大統領は国連や海外諸国にどう思われようと気にしないのかもしれない。しかし、海外諸国からの比に対する視線を懸念する国民の存在を忘れてはならない。世界各国には1千万人を超えるフィリピン人海外就労者(OFW)がおり、国内にも海外諸国とビジネスをし、国や大統領のイメージが直接仕事に影響する人々がいる。

 2007年には、左派系活動家・ジャーナリストの政治的殺人事件に絡み、国連人権委員会特別報告者が事件の背景を調査するため比を訪問した。

 調査団は10日間にわたる調査の結果、国軍と比共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)の両方が政治的殺人に関与しており、人権を侵害していると報告。しかし国軍は事実を完全否定。現在の国家警察にも似たような態度が見受けられる。

 ドゥテルテ政権は容疑者殺害について常に「隠すことは何もない」と言い張ってきた。国連の調査団を迎え入れたことは大きな一歩と言えるだろう。政府はさらに、国連人権専門家の調査を妨げることなく、調査遂行を保証することで、もう一歩先に進むことができるのではないか。(26日・スター)

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