新所長は重責担う 官民連携事業
アキノ政権の経済政策の基礎といえば、民間の資金と技術を活用して必要不可欠なインフラ開発を進める官民連携(PPP)事業だ。PPP事業は、持続的な経済成長のために不可欠な要の役割を担わされている。
ところが、そんなPPP事業に大きな難題が持ち上がった。事業を統括するPPPセンターのカニラオ所長が「家庭の事情」を理由に、8日に同センターを辞任するという。
カニラオ所長はPPP事業の顔だ。同所長の下で51事業、総事業費1兆6200億ペソが発表され、うち12事業、2004億8千万ペソの契約が決まった。残り7事業は政府の承認待ち、その他も手続きが進んでいる。うち3事業はほぼ工事を終えている。モンテンルパ・カビテ高速道(MCX)、軽量高架鉄道向け自動料金徴収システム導入事業、教育省の学校建設事業である。
また、マニラ空港の第3ターミナルと高架式高速道スカイウエー、カビテ高速道(CAVITEX)をつなぐ全長7・15キロのマニラ空港高速道建設事業と、イロコス、中部ルソン、カラバルソン各地域で計9300学級を立ち上げる学校建設事業第2期がアキノ政権下の6月までに完工する予定。
カニラオ所長は次の所長にパラシオス氏を指名した。パラシオス氏は1年以上、同センターで技術顧問をしており、カニラオ所長は同氏を「センターを導いていく巨大な役目を担う十分な能力と高い信頼、高潔さを持っている」と評した。また、「センターの役員や職員と、非常に良好な関係を築いている」と信頼を寄せた。
次期所長として正式に承認されたあかつきには、パラシオス氏は後継者として非常に重要な責任を担うことになるだろう。(2月29日、インクワイアラー)