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10月5日のまにら新聞から

不平等な監禁 病院拘置問題

[ 713字|2015.10.5|社会 (society)|新聞論調 ]

 公職者が重病を理由に通常の拘置施設での収監を拒み、一夜にして病状が回復したら、すぐに保釈金を支払って釈放される。信じがたい手法である。汚職など重大な罪に問われ、拘置施設への収監を余儀なくされたこの国の権力者が始めに使う「防御手段」は、車いすに乗って公の場に姿を現すことだ。

 略奪罪に問われた最高権力者が過去に病院拘置が認められたケースもあり、他の権力者が特別扱いを望むことには驚かない。ラジオ局員殺害事件の首謀者とされるルソン地方パラワン州のレイエス前知事と弟も病院拘置を求めたという。

 前知事らはまだ、保釈を求めているだけで、車いすは使っていない健康な状態だ。もし彼らに病院拘置が認められるならば、司法は過去の事例の見直しも検討すべきだろう。投獄は収監者の健康に影響を与えることは必然だからだ。動悸(どうき)がし、血圧が上がる。片頭痛や皮膚に発疹が出て、食欲不振から体重も落ちるだろう。

 不思議なことは、エアコン付きの病室で長期拘置を楽しむことのできる収監者は、一部の政治家や有力な経歴の犯罪者に限られていることだ。

 人道的配慮からくる特別待遇を主張できるのは、一部の人間だけに限られているようだ。この事実を考慮すると、特別拘置を許可する背景には何か別の理由があると疑わざるを得ない。

 害虫があふれて汚く、すし詰め状態の施設での拘置は、どの収監者も望んでいないことは明らかだ。しかし、一部の有力者にだけ、国民の平等を定めた憲法に違反する特別拘置が認められている。

 レイエス前知事の病院拘置を検討する上で司法は、この事実を深く考慮し、判断しなければならない。

        (9月28日・スター)

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