一騎打ちの可能性も 次期大統領選
8月下旬から9月上旬に実施された最新の大統領選支持率調査結果が9月下旬にも発表されるが、主要各政党は既に調査の「計算表」を入手し、支持率の動きを把握したはずだ。
この最新支持率が政治家2人に決断を促したようだ。ドゥテルテ・ダバオ市長は不出馬をあらためて表明。最新調査で1位または2位になるであろうポー上院議員は、選挙資金の供給源となるコファンコ・サンミゲル社会長の民族主義者国民連合(NPC)からの出馬を発表した。
ポー議員の出馬表明からは、アキノ大統領から後継指名されたロハス前内務自治長官の支持率が最新調査でも伸びなかったことも読み取れる。支持率が大幅に上昇したならば、ポー議員は「負け戦」を避け、前長官とペアを組んで副大統領選に回る道を選んだかもしれない。
ポー議員の出馬表明により、次期大統領選は、ポー議員とビナイ副大統領の一騎打ちになる可能性が出てきた。
ポー議員の課題は、政治家としての経験の浅さと政治基盤の弱さだが、他党との連携を含めた基盤強化は、NPCと副大統領候補となるエスクデロ上院議員が何とかするだろう。一方、ビナイ副大統領の強みは経験の豊富さと政財界内のつながりで、ポー議員の掲げる「反汚職」に対抗しようとする政治家らが副大統領の下に結集する可能性もある。
一方、「身内の不正」に甘い自由党政権の継続を願い、ロハス前長官を支持する国会議員も少なくはないが、大統領選をめぐる議員らの動向は、当落に直結する支持率に大きく左右される。前長官が与党候補の強みを生かし切れず、ポー議員とビナイ副大統領に遅れを取る状況が続けば、「次期政権下の免罪符」を求めて自由党から離れる議員が増えるだろう。(17日・タイムズ、リカルド・サルド氏)