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7月27日のまにら新聞から

最悪事態を回避せよ 宗教団体内紛

[ 717字|2015.7.27|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピン発祥のプロテスタント系宗教団体、イグレシア・ニ・クリスト(INC)が、教会幹部や牧師を巻き込んだ暴露話で揺れている。

 信者に愛された故エルディ・マナロ前INC代表の意志を継ぎ、現在は長男のエドゥアルド氏が代表を務めている。この弟であるナタニエル・マナロ氏が、母親のテニーさんと自身が命を狙われていると告白。インターネット上で助けを求める動画を公開した。また、INCの牧師数人が拉致されたとも明かした。驚くべきことに、ビデオが公開された直後、エドゥアルド現代表は弟と母親の2人を破門にした。

 ある福音派の大物伝道師は、自身のブログで今回の騒動について言及。「サングニアン」と呼ばれるINCの最高決定機関が、マナロ家の力を奪うために、ナタニエル氏らや団体幹部の拉致を計画したと話した。

 大物伝道師によると、計画の概要はまず、マナロ一家を中傷するようなうわさを流し、一家への信用を失墜させ、その結果、INC内部で混乱を生み出す。その後、混乱に乗じてマナロ家の人々を拉致監禁し、空席になった代表の座を奪い、権力を奪取するというものだ。

 大物伝道師の情報に信ぴょう性があるのかは分からない。INC側も秘密主義で信頼に足る情報は手に入りにくい。できれば、今回の騒動が最悪の事態に発展しないよう望みたい。

 1993年、米国を拠点としていたプロテスタント系教団の「ブランチ・ダビディアン」の教団本部(テキサス州ウェーコ)に、連邦捜査局(FBI)が強制捜査に入り、抵抗した信者約80人が集団自殺するという事件が発生したが、今回のINCの騒動がこの事件と同じ道をたどらないよう願っている。(24日・マラヤ、ロメオ・リム氏)

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