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6月8日のまにら新聞から

厳しい追及が必要 大規模工場火災

[ 694字|2015.6.8|社会 (society)|新聞論調 ]

 劣悪な労働環境に置かれている人々にとって、首都圏バレンスエラ市の大規模工場火災で72人が死亡したことはそれほど衝撃的ではなかった。依然、小規模工場で低賃金、長時間労働をさせられている労働者は多い。労働組合は少数派の工場労働者には働き掛けないし、労働法も黙々と働く彼らの権利保護には役立たない。

 小さな工場に家族と住み、ぼろぼろの服を着て、はだしで歩き回る彼らに政治家は見向きもしない。

 同じ過ちを二度と繰り返さないよう、アキノ大統領は今週、首都圏の工場30万施設を調査するよう消防庁に命じた。賃金と労働条件は労働者にとって最も大切だが、定期的な監査も労働者の安全を守る上で非常に重要なことだ。

 バレンスエラ市の工場火災に関していえば、工場が安全基準を満たしていなかったことは明らかだ。窓には鉄格子が取り付けてあったし、基準を満たすような十分な大きさの階段や戸口も設置されていなかった。非常口さえなかった。

 政治家には、この国の貧困問題に取り組む姿勢を示して欲しいが、残念ながら彼らにとって工場の劣悪な労働環境は自身の手を患わせるような問題ではなかった。

 在比米大使館前のデモ参加者が少しでも工場労働者の環境を世間に示し、声を上げれば、工場経営者は労働者の環境を改善せざるを得なくなるだろう。我が国の労働法は、最も進んだ国の最高の法律に近い。もし完璧に適用されていれば、比の労働者は最良の労働環境と報酬制度を手に入れているはずだ。

 だからこそ、自治体や消防署が労働基準の順守を経営者に厳しく要求していかなければならない。(3日・ブレティン、ロメオ・ペフィアンコ氏)

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