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2月23日のまにら新聞から

賢明さとは何か マギンダナオ交戦

[ 716字|2015.2.23|社会 (society)|新聞論調 ]

 マギンダナオ交戦でアキノ大統領を批判する人々は、大統領の無神経さや無能力について批判する。これは具体性に欠けている非難だが、彼らの声を大統領は無視してはいけない。彼らが問題視しているのは大統領の美徳や職務上の能力というより、むしろ大統領の賢明さの点だろう。

 無神経だと判断される基準は降りかかった状況に対してどれだけ関心を向けているかという点と関係する。感情的になっている人々の前で合理的な振る舞いをすると、容易に冷淡な態度だと解釈される。交戦で死亡した警官44人の遺体が首都圏パサイ市の空軍基地に到着したとき、大統領は基地には行かず、外資系自動車工場の立ち上げ式典に出席することを選んだ。権力の座にいる人々は時に簡単には理解できないような行動を起こす。我々は彼らの行動の是非を単純な出来事だけを見て判断することはできない。

 一方で、能力とはその人物が与えられた義務に対していかに効果的なパフォーマンスを発揮しているかということだ。しかし、目標やパフォーマンスの是非を判断する基準がきちんと定められない限り、無能力を証明することは難しい。これは選挙によって決められた役職でも同様だ。だから、取るに足らない役割しか提案できなくても、野心家が閣僚に就くことができる。ただ、私が知る限りでは無能力だと判断されて合法的に役職を解任された政治家はこれまでいない。無能な政治家に科すことができる制裁は、次期選挙で彼らを拒絶することのみだ。

 大統領が信頼を取り戻したいと願うならば、メディアや議員らの困難な質問に答えなければならない。「責任」とは「答える義務がある」ということだ。(19日・インクワイアラー、ランディ・デービッド氏)

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