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9月15日のまにら新聞から

国家警察と犯罪集団 警官強盗事件

[ 698字|2014.9.15|社会 (society)|新聞論調 ]

 10万ペソの報酬を見返りに有名カーレーサー、パストール氏を殺害したとして首都圏警察パサイ署の現職警官が拘束された。

 ケソン市では、首都圏警察ケソン市本部第1分署の上級警部らが会社員の男性に対して強盗を働き、拉致監禁した疑いで送検された。上級警部らは首都圏マンダルーヨン市のエドサ通りを走っていた乗用車を無理やり停車させ、被害者から金品を強奪した。目撃者が携帯電話でこの光景を撮影、短文投稿サイト「ツイッター」に投稿したため、事件が発覚、現職警官が事件に関与したと特定できた。

 事件発覚を受け、バルモリア首都圏警察総監も自ら捜査に乗り出し、上級警部ら2人が身柄を拘束された。残る7人は現在も逃走中だ。

 強盗事件に関与した現職警官2人が同僚に逮捕され、強盗と違法監禁容疑で送検された事実は、肯定的に捉えることもできる。しかし、インターネットに犯罪行為の写真が掲載されなれなかった場合も、国家警察は容疑者を拘束したかどうかは疑わしい。警察はこういった悲観的な疑問に答える必要がある。

 悪徳警官が起こした同様の事件で、これまでいったい何人の市民が犠牲になったのか。たちの悪いごろつき警官と出会う恐れがあると知りながら、あえて警察に届け出る被害者が、いったい何人いたのだろうか。

 ここ数カ月、犯罪が多発している。警察の犯罪関与は、この国で犯罪が撲滅されない一つの理由になっている。

 大統領府は警官が関与した犯罪を今後厳しく取り締まる方針を明らかにした。この方針が口先だけでなく現実となるまで、街をうろつく警官の姿は市民に安心感ではなく、恐怖を与える続けるだろう。(10日・スター)

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