来年度予算が試金石 予算不正流用事件
最高裁がこのほど、支出促進計画(DAP)制度を違反と認定したため、関係者の訴追と関与したとみられる閣僚の辞任を要求する声が出た。一方、優先開発補助金の不正流用事件では、上院議員3人と彼らの秘書などが保釈なしの条件で逮捕された。この2つをめぐる特別予算措置はすでに破棄されたが、政府が提出する予算案の審議を担うという国会の役割は変わっていない。
汚職事件を防ぎ、略奪罪などによって訴追される議員や閣僚を出さないようにしたいのであれば、行政府と立法府は次回の一般予算審議で予算措置の透明性を高める必要がある。良い政治の見本として、アキノ現政権がスローガンにするいわゆる「真直ぐな道」を予算執行で実現させることである。予算案が成立した後でも認められていた国会議員による予算使途に関する裁量権を廃止し、最高裁の判断にしたがって予算執行することだ。
しかし、国会による予算権を憲法が認めていることは確かである。これまでのように予算案承認後に特定予算の使途を決めることはできないが、議員たちは今後も予算案の審議中であれば予算の使い道に関する勧告を出すことはできるのだ。行政府が提出した予算案に対して政党や議員個人の提案や希望を反映させて予算の振り分けを行うことは従来と変わらない。しかし、予算の余剰分に対する大統領府の裁量に基づく予算執行措置はもう実施することはできない。
今後予定される15年度予算案審議では、公金の使い道に関する監視体制がどのように構築されるのかに注目したい。これまで以上に情報技術を導入し、予算の執行や利用状況に対する透明性を高めるべきだ。公金に対する議員や官僚による流用をやめさせることができるのか。来年度予算がその試金石だ。(10日・スター)