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6月9日のまにら新聞から

倫理観高めよう 補助金不正流用

[ 720字|2014.6.9|社会 (society)|新聞論調 ]

 優先開発補助金(通称ポークバレル)の不正流用事件で検察側証人となるため、主犯格のナポレス氏が、関与した政府高官や国会議員らのリストを発表すると、リストに記載された者や彼らを糾弾する者、またコメントせざるを得ない者などが一斉に声を上げ、異常な騒音を作り出した。まるで聖書にあるバベルの塔のように、ぶつかり合う意見や見解の相違が社会に渦巻き、国民の頭を混乱させた。

 今回、エストラダ元大統領とアロヨ前大統領の汚職をそれぞれ告発したチャビット・シンソン、ジュン・ロサダ両氏のことを思い出した。当時の政権は彼らを黙らせようと手段を尽くし、ロサダ氏は空港で拉致されるなど死の恐怖にも直面した。告発者が秘密を暴露することは、真実を明らかにしたというよりは、自己保身を求めたということだ。しかし、そのような告発者も命の危機に直面し、気高い同胞たちと行動を共にすることで、自身の中に勇気と誠実さが芽生えることもあり得る。ロサダ氏の勇気はアロヨ前政権を倒すことはできなかったが、真実を知らせる活動を通じて、国民の間に団結に向けた意識の高まりを促すことになった。

 ナポレス氏のおいで流用事件を告発したベンハー・ルイ氏は国家捜査局が身柄を保護し、司法省の告発を支える重要証人となった。上下両院も、多くの議員が告発されているにもかかわらず、事件の調査に及び腰になってはいない。行政監察院が起訴に慎重なのも、敗訴しないために証拠を積み上げているからだ。流血の革命や市民戦争を経ずに多くの国会議員を有罪に持ち込むことができれば歴史的出来事となる。国民も倫理観や価値観をさらに洗練させ、意識を高めることが大切だ。(6日・インクワイアラー、ホセ・モンテリバノ氏)

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