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10月7日のまにら新聞から

経済成長に汚点

[ 715字|2013.10.7|社会 (society)|新聞論調 ]

不正流用と市街占拠

 アジア域内で急速に成長する経済の一端を担うため、アキノ政権が取り組んできた努力が今、優先開発補助金(PDAF、通称ポークバレル)の不正流用やサンボアンガ市街占拠事件によって水泡に帰す可能性がある。

 アバド予算管理長官は会見で「比南部の情勢が経済的混乱を引き起こすことはない」と言明。ヒメネス観光長官も「観光客による予約キャンセルはなかった。直接的な影響はないだろう」と主張した。

 経済閣僚2人は今回の事件の影響を軽視しているが、事件により資源が豊富なミンダナオ地方への投資呼び込みは確実に後退するだろう。欧州比商工会議所のシューマッハー副会頭はロイター通信の取材に対し、「ミンダナオ地方には資源が豊富にあるが、サンボアンガ市街占拠事件ですべてが元に戻った。投資家に売り込むのは今や難しい」と語った。

 情勢不安は新たな投資の阻害要因になる。比政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)が2012年に調印した和平枠組み合意は、少なくとも市街占拠事件が起きるまでは、長年続く紛争終結への突破口と期待された。開発補助金の不正流用事件も経済成長に汚点を残すことになった。

 もちろん、明るい見通しはまだ残っている。低いインフレ率や海外からの送金、公共インフラ事業への支出が堅調だからだ。

 ミンダナオ地方における喫緊の課題は、発電所建設や道路、橋などのインフラ整備。同副会頭は「同地方の成長にはさらなる投資が必要だ」と話す。

 全国民が、不正流用疑惑に対する政府の舵取りを見守っている。コロナ前最高裁長官の弾劾裁判のような断固たる行動か、あるいは大量虐殺事件の審理のように遅々として進まないのか。(1日・インクワイアラー)

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