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7月29日のまにら新聞から

空白の3年間

[ 714字|2013.7.29|社会 (society)|新聞論調 ]

上半期までの業績評価

 就任後4回目となったアキノ大統領の就任演説当日の朝、民間調査機関は、大統領の支持率を64%とする調査結果を発表した。

 この国はこれまでの3年間、次々と打ち出された現政権の政策に明るい見通しを期待したが、成果という点では虚しい結果に終わった。中に何も入っていない中国の菓子にちなんで、「空虚な大統領任務」とやゆする民間団体もあるほどだ。

 政府は「汚職なければ貧困なし」を代表とする数多くのスローガンを掲げ、金の力で調査結果をでっち上げているようにも見える。

 大統領は就任以来、政策によって利益を受け続ける上流階級の広告塔のような存在であり続けた。経済成長によって、富裕層はさらに豊かになった。

 国内総生産(GDP)の実質成長率は平均6%を記録し続けたが、国民の大半はなぜ一般庶民の生活向上に結び付かないのかと首をかしげている。

 マニラ首都圏には高層ビルが建ち並ぶ一方、路上生活を余儀なくされている貧困層は世帯単位で日々、増える。失業率は250〜300万人に当たる7〜8%という高い数字を記録し、雇用状況は改善していない。

 1千万人近い国民が海外で就労し、月々の送金でこの国を支えている現状に鑑みても、自国ではなく他国の成長のためにその才能と労力を使っているという点で、多くの機会が失われている。

 アキノ大統領就任以降の3年間は、「失われた機会」と呼べる時代だ。アロヨ前政権と比較して酷評を繰り返し、約束事で飾り立てたスローガンを連呼する大統領に、国は大きな期待を抱いた。しかし、確実な成果はなく、機会だけが失われた。「空虚さ」という言葉は現政権の上半期を表現する最適な言葉だ。(23日・トリビューン)

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