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6月17日のまにら新聞から

英雄はどちらか

[ 715字|2013.6.17|社会 (society)|新聞論調 ]

独立記念日

 ホセ・リサールとアンドレス・ボニファシオはどちらが偉大な英雄か。我々はこの問いへの答えを導き出すため、エネルギーと情熱を注いできた。

 この問いは重要であり、突き詰める意味がある。左翼がボニファシオの優れた点を称賛していた1960年代から70年代、リサールに代わり彼を国民的英雄視する向きが高まった。リサールが文筆の徒であるのに対し、ボニファシオは行動した。リサールが改革を訴えたのに対し、ボニファシオは革命を実行したという議論だった。実に、過去は決して過去にはならない。

 活動家だった若い頃、私もボニファシオ英雄説にくみしていた。その後、自分の意見が変わった。双方とも徹底した革命家であった。 

 執筆は行動に値せず、理念は世界を動かさず、行動にこそ意義があるとする考え方は、間違っている。リサールは書き、それで世界を動かした。リサールを最も危険な破壊分子とみたスペイン人は、正しかった。

 ボニファシオ自身がそう考え、リサールの影響を受けて、世界で名だたる革命家の1人に変身した。 

 ボニファシオの業績は素晴らしかった。スペイン植民地で初めて、大衆革命、プロレタリア革命を起こした。 1820年代に中南米で起きたのは、クレオール(植民地生まれの白人)と、メスティソ(混血)が主導したブルジョア革命であった。

 ボニファシオは、インディオ(フィリピン人)を組織し、労働者を革命の先頭に立たせた。自身のためだけでなく、フィリピン人の救済と解放、自由を追い求めたのだ。

 ボニファシオ生誕150周年を迎える11月までの数カ月間、彼の偉大さに思いを馳せてほしい。(12日・インクワイアラー、コンラド・デ・キロス氏)

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