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9月17日のまにら新聞から

事前運動規制法に期待

[ 677字|2012.9.17|社会 (society)|新聞論調 ]

2013年上院選

 フィリピン慈善くじ協会(PCSO)は、同協会が寄贈した救急車に政治家の写真を掲示することを禁止すると発表した。2013年の次期上院選に向けて事前運動が拡大、選挙管理委員会が遺憾を表明したことが、発表につながった。 

 アキノ大統領は就任当初から、公共の財産を私物のように扱ったり、公共事業を自分の手柄のように見せる政治家の動きを抑止しようと努めてきた。しかし、恥知らずは生まれつきのようで、一部政治家は自分たちの広告看板に、大統領の写真を使い始めた。

 PCSOの動きは、大統領の努力を支援するものだ。今回の決定は、大統領が就任当初、救援物資などの公共財産に自分の名前を掲示しないよう命令して以来となる。

 フィリピン語で「恥知らず」を意味する「エパル」を禁止する法案(事前運動規制法案)を、サンチャゴ上院議員が提出した。しかし、反応は鈍い。選挙が近づく時期、この国で、古い習慣を壊すことは難しい。

 選管は事前運動の規制方法を検討する必要があるだろう。 例えばPCSOは、救急車を受け取る地方自治体に、政治目的に車両を使用しないとする誓約書の提出を義務付けている。

 こういった行為に嫌悪感を覚えた市民が、インターネットの会員制交流サイト「フェイスブック」上で、反対運動を始めた。しかし、今のところ、エパル政治家は心を動かされていないようだ。

 政治家にデリカシーを強要することはできないという。規制する現行法がないため、選管はエパル政治家の名前と顔を覚えておき、選挙で投票しないようにする、それが最適だと助言している。(13日・スター)

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