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9月10日のまにら新聞から

新聞論調

[ 726字|2012.9.10|政治 (politics)|新聞論調 ]

心理テストの公表を 新長官の就任演説

 民主主義の国では、最高裁判事の信じる宗教が何であるかは判事としての機能には関係ないと理解されている。判事の判断が事実と法体系に基づいていることが、国民にとって重要だからだ。しかし、今回、セレノ新最高裁長官が任命後初の国旗掲揚式における演説で示したたび重なる神に対する篤い信仰心は、それを聞いた人を不思議な気持ちにさせたのは確かだろう。

 彼女は「今回の任命が神の意志であることは全世界が証人である。政治家や財界人などが任命に向けてロビー活動をしたわけではなく、あくまでこれは神の仕業である。従順なしもべである人物に、最高裁を率いさせたいとした神が、私をその地位につけたのだ」と述べた。

 神に対する信仰心が強いことは、われわれの文化においては確かに価値がある。それだけ清廉であり、人格的に優れているとも言える。しかし、自分の信仰に一度触れるだけなら評価されるかもしれないが、それが何度も続くと、人を不安にさせる。また、演説は時と場所をわきまえる必要がある。教会行事で話をするのであれば、このような話しは受け入れられるだろう。だが、最高裁長官の就任演説でこのような信仰心を強調するのは、あまりにもごう慢な態度とも言える。

 実は最高裁長官の候補者選びの課程で司法弁護評議会(JBC)が候補者らの心理テストをしている。私は心理テストは必要ないと考えていた。今回の新長官の発言を聞いた今は、この心理テストが重要だったということがよく分かった。

 セレノ長官は、この心理テストの結果が候補者の中でかなり低かったと言われている。アキノ大統領はこのテスト結果をどう評価したのか、公表すべきではないだろうか。(6日・インクワイアラー、ランディー・ダビッド)

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