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7月2日のまにら新聞から

ヒトラーと共通

[ 718字|2012.7.2|社会 (society)|新聞論調 ]

政権三つの大うそ

 過去1週間に、アキノ政権は三つの大きなうそをついた。後悔しているに違いない。残る任期の間、現政権への信頼が危機に陥るからだ。

 一つ目。フィリピンは欧州の金融危機を緩和するため、国際通貨基金(IMF)に10億ドル出資する余力がある。二つ目。スカーボロ礁からすべての中国艦船が引き揚げた。三つ目。スルー州で行方不明になったヨルダン人記者は国際テロ組織、アルカイダ資金の運び屋である。

 短期間に、こんな大きなうそを立て続けについても、非難を受けると思っていない。透明性と誠実さを売り物にする政府は言うまでもなく、どんな政府でも考えられない鈍感さである。頑固なアキノ大統領の支持者はともかく、誰もが、大統領は深刻な情報不足に陥っており、危機に対応する能力がないと思うだろう。

 第1に、フィリピンには欧州を助ける余裕はない。10億ドルもの資金があるなら、教師や教室不足の解消、インフラ整備に回すべきではないか。

 第2に、フィリピン漁船の衝突事故があり、慎重な対応が求められるときに、中国の反発を買うような言動は慎んだ方がよい。

 第3に、早々にヨルダン人記者の拉致はなかったと宣言しながら、拉致が確認されたという情報が流れた途端、場合によっては記者を処罰すると主張するのはなぜなのか。

 歴史を振り返ると、大うそのプロパガンダを初めて実践したのはアドルフ・ヒトラーであり、自伝『わが闘争』の中で、権力者が大胆に語れば、突飛な大うそであればあるほど、大衆は信じると書いた。我々は今、ヒトラー独裁下のドイツではなく、アキノ政権下にある。しかし、両者の共通点には身震いがする。(26日・スタンダードトゥデー、ジョジョ・ロブレス氏)

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