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5月21日のまにら新聞から

12議員は有罪評決か

[ 710字|2012.5.21|社会 (society)|新聞論調 ]

最高裁長官の弾劾裁判

 コロナ最高裁長官の弾劾裁判が5月末までに結審し、評決が言い渡される運びとなった。長官弾劾には、陪審員を務める全上院議員23人の3分の2、16人以上が「有罪」の評決を下す必要がある。

 裁判の行方を決めるのは証拠、証言だ。しかし、政治的側面の強い弾劾裁判の場合「法廷外要因」が複数存在し、各上院議員の良心がコロナ長官の命運を決すると言って過言ではない。

 無罪評決が出た場合に最も大きな痛手を受けるアキノ大統領の存在など、法廷外要因を考慮すると、各議員の評決は以下のような内容になるのではないか。

 政権与党の自由党(LP)所属、もしくは同党に近いドリロン、パギリナン、ギンゴナ、レクト、トリリャネス、ラクソン、オスメーニャの7人は、党方針とアキノ大統領の利益を考えて間違いなく「有罪」という結論を出すだろう。

 ビリヤール、アランピーター・カエタノ、ピア・アエタ各議員の国民党(NP)勢3人も、同党を率いるビリヤール議員の妻が次期上院選(2013年5月)でLP陣営からの出馬を検討している関係で、「有罪」とみられる。息子が観光局長を務めるラピド議員、同じく息子が弾劾裁判検察団スポークスマンのアンガラ議員もLP陣営に同調するだろう。

 これで「有罪票」は計12。弾劾成立にはさらに4票必要だが、エンリレ議長ら残る11議員については「検察、弁護双方から示された証拠・証言に基づいた判断を下すだろう」としか言えない。ただ、11議員のうち、次期上院選で改選対象となるエスクデロ、レガルダ、ピメンテル各議員らは選挙資金と組織票確保を視野に入れた判断を迫られるだろう。(15日・スタンダードトゥデー、エミル・フラド氏)

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