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2月6日のまにら新聞から

行動すべき時

[ 717字|2012.2.6|社会 (society)|新聞論調 ]

多発する政治的殺人

 アキノ大統領はアロヨ前大統領が任命した政府高官を一掃し、政策の一変によって前政権との「違い」を強調した。コロナ最高裁長官の弾劾裁判はさもその政治的意思を表しているかのようだ。であれば、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が指摘した報道関係者殺害件数は減少していなければならない。

 HRWは報告書で、政治的殺人阻止に向けた現政権の取り組みが不十分であるばかりか、軍・警察の事件関与を指摘し、治安当局による権力乱用を断絶できていないと糾弾した。

 マルコス政権の時代から比では政治的殺人が多発してきた。全国ジャーナリスト同盟の統計では、マルコス政権が崩壊した1986年以降で殺害された総数は150人。09年11月に報道関係者30人以上が死亡した虐殺事件では国際社会から非難を浴び、改善に向けた新たな局面を迎えるかにみえた。

 大統領は就任時、多発する政治的殺人を終結させると公約した。しかし、事件発生件数は公約と矛盾している。10年には4人が殺害され、翌11年には8人へ増えた。1月には南コタバト州ジェネラルサントス市で新たに1人が射殺された。

 問題は、治安当局の関与を示す証拠があるにもかかわらず、現政権がその実態を認識していないことだ。

 HRWはさらに、フィリピン大女子学生らの拉致に関与したとして逮捕状が出たパルパラン元陸軍少将の早急な逮捕・訴追を勧告した。同元少将の所在は分からず、野放し状態となっている。

 現政権はHRWの勧告を無視すべきでない。同元少将を逮捕し、政治的殺人を阻止する必要がある。その時にこそ初めて、歴代政権との「違い」を大々的に宣言できる。(1月29日・インクワイアラー)

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