悲劇で締めくくり
災害と政争の1年間
2011年は深刻な悲劇と国家指導者間の堕落した内輪もめ、そして醜い復讐で幕を下ろそうとしている。私たちはクリスマス直前の平和と善意、歓喜のシーズンにいることをすでに忘れてしまった。神が怒りの雷を落とし、貧しい虐げられた人々が自然災害で最も影響を被った。我々の指導者には今こそ、許しと理解、人を愛するという新年の誓いを立てて欲しいものだ。
11年はアキノ大統領が初めて年間通じて政権を運営した年だった。しかし、ペドリンやセンドンといった台風による死者や被害が拡大し、北はカガヤン州から中部ルソン、首都圏からビコール地域、そしてビサヤ地方からミンダナオ地方まで全国で甚大な損害が出た。
また、バイクに乗った暗殺者による殺人事件が2千件に達し、ミンダナオ地方では誘拐事件が一向に減らず、共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)による襲撃も全国で起きた。
さらに後半の4カ月間にはアロヨ前大統領に対する攻撃と告発が続いた。彼女の前に標的になったのはグチェレス前行政監察院長だったが、最近ではコロナ最高裁長官に標的が移っている。これらの攻撃を個人的に主導しているのはもちろんアキノ大統領で、射撃手よろしく、今度はコロナ長官の妻にまで標的を広げている。
その意味で、11年は自然災害と、アロヨ前大統領やコロナ長官に対する復讐や大っぴらな攻撃で特徴づけられる1年だったと言えよう。
台風センドンの被災では政府の災害対策準備を見直す必要が明らかとなった。気象庁などによる警報が出されず、被災地への救援物資の配分が遅れたことも事態を悪化させた。12年が全く違った年になるよう期待し、祈るだけである。(20日・スター、エルネスト・マセダ氏)