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8月15日のまにら新聞から

人権尊重の意義

[ 720字|2011.8.15|社会 (society)|新聞論調 ]

新人警官への虐待

 恐らく、軍・警察は反政府勢力の拘束下に置かれた際の虐待に耐えるため訓練をしているのだろう。では、イスラム過激派、アブサヤフは拘束した彼らに対し唐辛子を無理やり口に押し込めるだろうか。過去の交戦を遡ってみると、アブサヤフは軍・警察を銃撃し、最終的に首を切って惨殺する。

 唐辛子を多く使った料理を食べる、ビコール地方の住民にとっては、唐辛子をそのまま食べさせることは虐待ではない。しかし、ルソン地方ラグナ州ロスバニョス市内の国家警察敷地内で2010年に行われた虐待映像では、若手警官たちは激辛の料理を食べ慣れているようには見えない。それどころか、首都圏マニラ市トンドの警察署内で裸の男性が床に伏せられ、警官から虐待を受けたもう一つの映像を思い起こさせた。

 今回の事態で懲戒免職処分となった警官たちも、新人のころは同様の虐待を受けたことだろう。

 周知の通り、このような虐待行為は比国家警察の間では例外ではない。国軍士官学校(PMA)では何人もの新入生が死亡した。学生団体が行う恒例の儀式で殺害される10代の大学生もいる。これらの暴力行為は、大人の世界でも持ち込まれているのだ。

 無力な人間の口に唐辛子を押し込むことで、忍耐力や勇気を養うことはできない。代わりに教えられるのは、残虐行為が法律執行の道具になり得るという屈折した世界観だけだ。あるいは容疑者の性器を引っ張り、青あざができるまで殴り続ける警官による拷問の方法も学べるだろう。

 国家警察がプロに徹したいのであれば、まず新人警官に人権尊重の意義を学ばせるべきである。しかし、新人警官の訓練と称して人権侵害を犯しているようでは、永久に人権を尊重できない。(7日・スター)

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