新聞論調
校庭で野菜作り
教育省は、「オー・マイ・グライ(おお、私の野菜)」と呼ばれる公立学校内での野菜作り事業に取り組んできたが、児童生徒の3人に1人が栄養失調状態にあるという問題を広く知らせるため、今年新たに「グラヤン・サ・パアララン(学校の野菜畑)」と名付けたプロジェクトに乗り出した。
比では年中、野菜が豊富に採れるにもかかわらず、国内の野菜消費率は東南アジア諸国で最も低いとの調査結果が出ている。
食料と栄養に関する調査を実施している民間企業によると、6〜10歳の学童児100人のうち26人が、標準体重に満たない低体重となっている。また、同33人が発育不全状態にあり、同20人が貧血症を引き起こしているという。
公立学校の校庭の一角を菜園とする新プロジェクトを推進するため、教育省は5万ぺソの経費を計上。作物の種、肥料、農具、土の温度を高めた苗床や、垣根作りなどの費用などを含めた数字である。全国の公立学校の15%に相当する4万2076の公立小学校・高校の児童・生徒約180万人が同プロジェクトに取り組んでいる。
このプログラムを支える民間企業の中には、野菜作りの専門技術者を派遣しているところもある。
一方、飢えに苦しんでいる子どももいる。同プログラムは、そうした表に出ない子どもにも焦点を当てるきっかけともなっている。また、子どもだけでなく、家族にも野菜の持つ栄養に気付いてもらい、日々の食事にもっと野菜を取り入れるよう奨励するのが狙いである。
学校菜園で野菜を育てることで、より多くの子どもが野菜の栄養を取れるようになるだろう。肉体的にも精神的にも機敏になり、学力も向上し、立派に成長していくにちがいない。(21日・ブレティン)