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5月9日のまにら新聞から

活路を見出せ

[ 713字|2011.5.9|政治 (politics)|新聞論調 ]

入国管理局長という職務

 「入国管理局長という職務は難しい」。これは私が考えていることだ。最近退官したダビド国軍参謀総長のように政治的任命であったとしても、それが入管局長として任務を遂行する上で大した助けにはならない。あるいは偶然にもそのポストを引き継いだとしても、汚職や人身売買、不法在留外国人といった問題を片づけるのは容易でない。

 しかし、ダビド局長との出会いは私に入管局長としての確かな理解をもたらしてくれた。彼が約束を実行し、変革のために戦い続けると信じている。

 年齢的にも若いダビド局長は様々な局面に対応しやすく、鋭い洞察力を持ち、彼の下にいる部下の経験と知識を認める謙虚さも兼ね備えている。さらに、同局長は最近、報道関係者とも会って率直に話し合い、記者らの入国管理局に関する知識や個人的な経験に基づく情報を入手した。

 ダビド局長にとっての懸案は①人員不足②出国停止命令の現行制度が招く複雑な問題③ビザの手続きを代行する「フィクサー」の一掃④入管職員は恐喝行為を行うというイメージの改善⑤汚職に手を染める職員の調査⑥不法在留外国人に対する恩赦︱︱など。

 入国管理局のイメージ向上については、会社勤めを長年してきたオランダ国籍の私の妻でさえ、同局庁舎に入ると大勢の人々でごったがえすビザ申請窓口の混雑ぶりに内心うんざりしている。だから何らかの手を打たねばならない。

 ダビド局長は多くの関係者や政財界の指導者と会合を重ね、彼らの提案に耳を傾け、正しい方向に進んでいるはずだ。そして負担を少しずつ分かち合えば、「容易ではない」職務にもやがて活路が見出せるだろう。(4日・スター、シト・ベルトラン氏)

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