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12月20日のまにら新聞から

皮肉な結末

[ 685字|2010.12.20|社会 (society)|新聞論調 ]

ビスコンデ虐殺事件

 ビスコンデとその支援団体は、またしても、証拠もなく自身らの立場に反対する者たちを糾弾するというお決まりの行動に出た。彼らは、メディアを動かし市民の同情を得ながら「罪人」を非難しているだけだ。逆転無罪判決後の記者会見でビスコンデらは、最高裁判事らがウェブ側に買収されたと主張した。何の証拠をもっての主張か。元上院議員の父親の権力と立場は、とうに失われている。仮に権力を利用するなら、15年も待たずに地裁の判事を買収していただろう。最高裁判事7人より、地裁判事1人を買収した方がよっぽど安上がりだ。何より不可解なのはビスコンデ側が、真犯人の捜査よりも、ウェブの有罪にこだわっている点だ。

 被害者の体に付着した精液からDNA鑑定で真犯人は判明していたはずだった。国家捜査局(NBI)はそれらの証拠を「紛失」した上、犯行を認めた空き巣グループの自供を無視し、ウェブらを最重要容疑者と見立てた。NBIはさらに、ジェシカ・アルファソという重要証人をでっち上げた。NBIと司法省が、同事件に扇情的ではなく、正しく対応していれば結末は早かったはずである。メディアに取り上げられ世間の注目を集めるには、空き巣グループではなく裕福で影響力のあるウェブらが必要だったのだ。

 犯行当時、ウェブは米国にいたというアリバイが証明されている。アルファソは自身が目撃したという容疑者を特定することもできなかった。ビスコンデ側もアルファソがうそをついているのは分かっていた。自供や重要な証拠を無視したのは、ほかでもないビスコンデ側、司法省とNBIだ。皮肉な結末と言える。(16日・トリビューン)

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