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7月13日のまにら新聞から

時期尚早の勝利宣言

[ 708字|2009.7.13|社会 (society)|新聞論調 ]

麻薬密売王の有罪判決

 首都圏警察東部本部とパシッグ市役所に隣接する違法占拠地区で覚せい剤密売市場を運営し、年間9億ペソの利益を得ていたイスラム系覚せい剤密売組織の大物アミン・ボラトン夫妻に対して、首都圏パシッグ地裁(ボレタ判事)が終身刑判決を下した。政府は1990年3月の大物麻薬密売人殺害以来の歴史的勝利と位置付けた。

 国家警察は2006年2月、捜査員150人を動員して史上最大の麻薬取締作戦を約2千平方メートルの同地区で実施し、300人以上を逮捕した。同夫妻は9カ月後に国家捜査局(NBI)がマカティ市の高級コンドミニアムで逮捕した。

 ボレタ判事は昨年2月と5月に密売市場の運営者3人ら起訴された82人に次々と有罪判決を下した。だが、同夫妻はゴンザレス前司法長官の裁量で保護されていた。同前長官は同年11月30日、担当検事に公判の延期を命じた。奇妙なことにボラトン氏の第2夫人が公判の見直しを求めた日付と同じである。さらに、同前長官は1カ月後、同氏の義弟に証人保護プログラムの解除を通達した。組織の全容を把握する義弟を犯罪者と断定し、義弟を保護する警察を批判した。

 反旗を翻したのは女性検事5人。上司の判断を覆して訴追を断行した。ボレタ判事も義弟の証言を「率直かつ明確。説得力があり、信用に足る」と判断した。

 だが、正義が貫徹されたわけではない。密売市場は位置関係から当局の保護を受けていたのは間違いない。判決公判が200人の警備態勢下で行われたことと無縁ではないだろう。現に義弟証言では、警官やNBI捜査員へわいろも渡ったという。恐れを知らない判事の裁きを受けるべき人間はまだ存在する。(11日・インクワイアラー)

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