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12月1日のまにら新聞から

規律ある大統領求む

[ 695字|2008.12.1|社会 (society)|新聞論調 ]

次期大統領選

 最近、フォーラム前の茶飲み話で、「アロヨ大統領の後任として理想的な人物は誰か」が話題になった。名前の挙がっている大統領候補者の「誰が勝つか」ではなく、「誰が良き大統領になるか」で意見が交わされた。

 結果は、「ラクソン上院議員かフェルナンド首都圏開発局長」を推す意見が大勢を占めた。この二人の共通点は、①規律を厳格に守ろうとする②人気取りや得票のために悪事を見過ごさない︱︱の二点。

 ラクソン議員は元国家警察長官。長官時代、押収品の盗難車を乗り回す警官から車を没収し、無銭飲食を続ける警官に減量とジョギングを命じた。結果的に警官の関与が疑われる銀行強盗などの重大犯罪は一時減少した。

 フェルナンド局長は、道路沿いなどから露天商や違法占拠住民をある程度、移転させた唯一の公務員と言っていい。エドサ通りの無秩序は一定度、改善され、乗客をほとんど乗せないまま走るバスも減った。

 この二人なら大統領就任後も、国家警察と首都圏開発局でやったことと同様のことができ、国民に規律の大切さを教えられるだろう。

 しかし、二人が大統領選で勝てるか否かは別問題だ。特にフェルナンド局長の場合、同局長を憎悪する首都圏の違法占拠住民や露天商らの票は期待できない。世論調査でも下位に甘んじているが、同局長自身は「秩序を望む国民が多数を占めている」と信じているようだ。

 ラクソン議員の場合、「こわもて」のイメージが先行し、同議員を恐れる国民が多いが、国民に恐れられずして規律の大切さを植え付けることはできないだろう。(11月26日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)

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