再発防止を
巨額ユーロ持ち出し事件
モスクワ国際空港で国家警察(PNP)の派遣団の資金から没収された十万五千ユーロが、PNPのいい加減な情報資金の支出ぶりを明らかにする事態となった。。
十五日に開催された上院の聴問会で、デラパス国家警察元会計検査局長は、現金は情報機器購入目的で支出されたと証言した。彼らは出張目的の会議が終わった後、機器買い入れのためチェコの首都プラハ、ハンガリーの首都ブタペスト、ポーランドの首都ワルシャワ、オーストリアの首都ウィーンなどにまで足を伸ばす予定だったのだ。
デラパス元局長は、モスクワで開かれた第七十七回国際刑事警察機構総会に比代表の一人として参加。出国の際、申告が必要な十万五千という巨額ユーロを違法に持ち出そうとして同人の妻やPNP長官夫人らとともに拘束された。
聴問会でデラパス元局長は、出張名目で巨額の資金を引き出すのに当たって部下に問いただされたが、退任間近だったにもかかわらずこれを排除したことなどを証言した。
事態はヴェルゾサPNP長官の前任者ラソン長官時代のことだが、デラパス元局長がもし、いわゆるユーロ・スキャンダルの全責任を取ると主張するのなら、厳しい処罰を覚悟すべきであるとサンチャゴ外交委員長は指摘した。
政府はデラパス元局長の責任追及とは別に、PNPにおける機密・情報資金や旅費などの支出に関する現行規定を見直すべきだ。情報資金の支払いには、ある程度のあいまいさがつきまとうのは仕方がないとしても、海外出張旅費の規定が情報収集名義にねじ曲げられるものではない。不祥事再発防止のため、関係機関は動き出すべきだ。 (17日・スター)