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9月29日のまにら新聞から

効果なき警鐘

[ 708字|2008.9.29|社会 (society)|新聞論調 ]

深刻化する汚職問題

 世界各国の汚職を監視する非政府組織(NGO)が公表した「二〇〇八年汚職指数」の結果で、比は前年から指数を悪化させ、東南アジア域内でも清廉度が低い方に位置付けられた。これに対し政府は「受け取り方の違いによる結果」と片付けた。

 しかし、その受け取り方はある程度の事実関係、経験に基づくものであることは否定できない。取引成功のために投資家が多少上乗せしているといううわさが広まっている。

 この国ではなぜビジネス許可などを取得する際に多くの行政手続きが必要なのか。

 アロヨ現政権の実態を取り上げてみよう。現政権は不正に不正を繰り返し、聴聞会など国会の調査の際には言い逃ればかりしている。最悪なのは主要メディアがその現政権の姿勢にひれ伏していることだ。

 大統領やその側近は、行政特権行使で度重なる疑惑を乗り切っている。それは大統領に、犯罪行為を大目に見てくれる最高裁の仲間がいるからだ。

 さらに国内の汚職調査についても大統領は「結果は政府に対する警告だ」ととらえる一方、汚職撲滅にはカトリック教会や国民の意識による参加が必要だと主張する。では、政府はこれまで何回警鐘を鳴らしてきたのか。

 ボランテ元農務次官の予算不正流用疑惑はいまだに裁かれていない。ペレス元司法長官が元下院議員から二百万ドルを脅し取ったとされる疑惑は有力な証拠にもかかわらず中ぶらりんのまま。

 忘れてはいけないのが、前回大統領選の不正疑惑が今日まで未解決となっていることだ。警鐘?。この国では、誰もが確信犯であり、国の財産を好き放題、懐に入れている。警鐘を鳴らしても何の効果もない。(26日・トリビューン、ニネス・オリバレス氏)

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