銃社会がもたらす惨劇
他国を見習え
ルソン地方ラグナ州で起きた銀行支店襲撃事件を受け、銃規制の厳格化を求める声が上がっている。
行員ら十人の殺害は、人間以下の犯人たちによる凶悪犯罪だ。現金だけなら大量虐殺せずに奪えたはずである。身元が割れるのを恐れたのであれば覆面すればよかった。しかし、犯人は冷酷残忍な殺し屋だった。
犯人が行員らを殺害できたのは、銃器を簡単に入手できるこの国の事情がある。銃器を軍人や警官から入手できるような道をまずふさぐべきだ。
まず、公共の場での銃規制を強化する必要がある。二〇〇四年、〇七年の選挙期間中における銃所持禁止は犯罪の抑止、違法な銃器携帯者の逮捕につながった。
国家警察は、外出時に許可無く銃器を携帯している者から銃を没収すべきである。マルコス政権時代、政府は銃の野放しを無くすことに成功した。政治的な意志があれば同様の取り締まりができない理由はない。
世界的な傾向としても銃の規制は強化されている。英国では警官が拳銃を所持しないようになって長く、テロリストや武装強盗以外では使えない。一九九六年にスコットランドで起きた小学校児童、教師十六人射殺事件以降、同国では拳銃機種の九五%を禁止した。オーストラリアなどでも規制を強化した。
比も銃規制法の採択と執行は可能だが、英国のような警官の非武装は採用できない。警官の武装は犯罪発生率の低下につながるからだ。
当面の間、強盗殺人、車両窃盗、誘拐などを実行する武装犯罪集団の取り締まりを強化する必要がある。犯罪結社に圧力を加え、銃器の入手先を摘発し、市民を食い物にする機会を奪ってしまえば、彼らを壊滅できるだろう。(20日・インクワイアラー)