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7月30日のまにら新聞から

新聞論調

[ 697字|2007.7.30|政治 (politics)|新聞論調 ]

高慢な夢物語か−大規模インフラ整備

  施政方針演説でアロヨ大統領は、中期公共投資計画(二〇〇五・一〇年)に沿った大規模インフラ整備に、総額一兆七千億ペソを投じると明言した。一兆ペソは政府予算に組み込み、七百億ペソは民間セクターや外国政府の財政支援を充てるという。

 野心的な計画の成否は、国税、関税両局などが徴税目標額を達成できるかどうかにかかっている。しかしながら、施政方針演説は国民の血税が注ぎ込まれるインフラ整備事業の紹介に多くの行数を費やすばかりで、徴税目標を達成するための方策にはほとんど触れなかった。

 上半期、財政赤字は膨張し、通年目標額の六百三十億ペソを大幅に超過する見通しが強まっている。要因の一つは歳入不足で、「徴税目標達成の厳命」にもかかわらず、国税局などは目標を達成できなかった。

 歳入不足を補うため、財務省は同省証券の発行を続け、さらにサンミゲル社の保有株放出や公社の民営化を検討中だ。確かに資産を売却すれば一時的に歳入は増加する。しかし、財政赤字を生む構造的問題の解決にはつながらず、「売る物がなくなったら終わり」という結末が待っている。大統領は財政問題が既に過去のものになったと思いたいようだが、残念ながら実現にはほど遠い。

 施政方針演説は財政問題にほとんど触れなかった。これは不都合な現実から逃避するための逃げ口上の一種で、財政改革の明確な方策を示そうとしない政府に民間セクターや外国政府は果たして七百億ペソもの巨額を託そうとするだろうか。今後二十年で実現したい未来像を語ることは容易だ。しかし、財政的裏付けのない未来像は高慢な夢にすぎないことを忘れてはならない。(25日・タイムズ)

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