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7月2日のまにら新聞から

中国産の欠陥商品

[ 664字|2007.7.2|社会 (society)|新聞論調 ]

高度経済成長の裏

 冷戦下で国交がなかった時代にも、フィリピンでは中国産商品は数多く市場に出回っていた。現在、中国は、米国や日本と並び、わが国の経済発展をけん引している。中国からの投資・援助は、経済・社会開発事業に不可欠なインフラや通信、交通、農業など各産業分野に拡大している。

 中国企業は比全土に拡がる政府省庁を結ぶ「国家ブロードバンド・ネットワーク」の構築に力を注ぎ、中国政府はこのネットワークを利用した「サイバー教育」の普及をもくろむ。中国は世界で最も高い経済成長率を過去十年間維持し、世界中で政府系・民間企業が活発な商業活動を続ける。

 中国政府は生産性・利益率を上げ、毎年二ケタの成長率維持を目指す。それこそ、先進国となる最速手段と考えるからだろう。

 一方で中国の経済成長および生産性の高さ、世界市場における競争力の急速成長を危惧する有識者も多い。現に中国政府は商業・起業家精神を大きく逸脱する行為を見逃す結果を招いている。

 共産主義を掲げる政府の本質に反するほどの利益追及姿勢は、労働者の「奴隷扱い」さえ許している。中国企業と外国企業との間では訴訟問題が絶えることなく起きている。外資系企業が世界市場で販売する商品を、中国企業が模造し、安価に販売するためだ。外国資本と提携する中国企業間でさえ争いは起きている。中国国内では数年前に豚肉缶詰の模造品が出回った。模造品は別の中国企業が製造し、海外に輸出していた。中国商品に対する不満は、フィリピンだけでなく米国にも波及、大きな社会問題となっている 。(6月29日・タイムズ)

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