未決囚の立候補防げ
トリリャネス当選
拘束中のトリリャネス元海軍上級中尉が上院議員に当選したが、本来はそういう事態になるべきではなかった。四年前の反乱を率いた罪で拘束されている彼は、すでに無罪が確定して釈放されているか、逆に有罪が確定して刑期を務めているべきだった。もし国民が彼のことを覚えていれば、釈放された際に上院選で当選させればよいのである。
我が国の軍法廷や裁判所における司法制度がぜい弱なために、トリリャネス氏は上院選に立候補でき、拘束の身で議員活動を開始することになる。軍規を破り、政権転覆を目指した彼は、約二億ペソの優先開発補助金(ポークバレル)を含めて上院議員に与えられる特権を享受できることになり、拘束中の仲間や看守、軍の上司たちから「ミスター・セネター」と呼ばれることになる。
選挙を通じて改革を求めることは、首都圏マカティ市のホテルに立てこもり反乱を起こすことに比べ良い方法だ。国民はこれまで、上院に俳優やコメディアン、さまざまな道化師たちを送り込んできた。だからトリリャネス氏の上院議員当選をうらやむ者もいない。また、彼にはホナサン氏というアキノ政権の転覆を狙って何度もクーデターを率いた先達がいる。トリリャネス氏の何年も前にホナサン氏は上院議員に当選し、反乱容疑をかけられながらも、今回、返り咲いた。
我が国の司法制度が効果的に運用されていれば、このようなばかげた事態を避けられたはずである。少女レイプ事件で有罪判決を受けた下院議員のようにトリリャネス氏は未決囚の身分で上院選に立候補できた。今こそ、係争中の立候補を認めない法改正か、もしくは裁判の迅速化が求められている。(15日・スター)