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11月6日のまにら新聞から

廃棄物条項削除を

[ 677字|2006.11.6|社会 (society)|新聞論調 ]

比日経済連携協定

 比日経済連携協定の締結を受け、有害廃棄物が日本から比へ持ち込まれるとの懸念が高まっている。

 これに対し、在比日本大使館は十月下旬に発表した声明文で、「日本政府は(有害廃棄物の輸出入を規制する)バーゼル条約に基づいた法的枠組みを整備し(有害廃棄物の)輸出入を厳しく規制している。比を含む相手国政府の許可なしに、有害・危険廃棄物の輸出を認めることはない」と主張し、比側の懸念は「誤解にすぎない」と言い切った。

 声明文は事態鎮静化を狙って出されたようだが、日本側の思惑は外れるだろう。なぜなら「違法な輸出は認めない」という表現は「合法な方法があれば日本は有害廃棄物を比へ輸出する」と言い換えることができ、さらに「バーゼル条約に基づいた法的枠組み」は、相手国政府の承認を条件に特定有害廃棄物の輸出を認めているからだ。

 われわれは声明の字面をそのまま受け入れるほど愚かではない。比を有害廃棄物の捨て場にする意図が本当にないのなら、日本はその旨を明確かつ無条件に宣言すべきだ。

 他方、アキノ貿易産業省次官らは「比国内法に反する、有害廃棄物の輸出入は認められない。廃棄物に関する協定条項は無害である」と比国民を説得し続けているが、この説明にも問題がある。なぜなら、経済連携協定は条約であり比国内法より優先されるとの指摘があるためだ。つまり、日本側は同協定発効により、有害廃棄物を合法的に輸出する法的根拠を得る可能性がある。

 これらの疑念を完全に払しょくする方法は一つしかない。それは、有害廃棄物に関する条項を削除することだ。  (2日・インクワイアラー)

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