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10月9日のまにら新聞から

国辱の「主要玄関口」

[ 678字|2006.10.9|社会 (society)|新聞論調 ]

災害にもろいマニラ空港

 マニラ空港幹部は気にもかけていないだろうが、発電機はいくらかかるのだろう。台風や季節風による大雨が毎年のように被害をもたらすことは周知の事実だが、フィリピンの主要玄関口、マニラ空港は自前で電力を供給できる発電機すら有していない。九月二十八日、大型台風が約十一年ぶりに首都圏を直撃した際、電力供給は完全にストップした。

 国民には不幸な偶然だが、同じ二十八日にはタイ・バンコクでアジア域内最大級のスワンナプーム空港が開港した。開港まで四十年の歳月を費やしたとされる同空港建設の過程でも論争が絶えなかったという。しかし、空港がトラブルなく運営され、電力も十分に供給されることで、これまでの「論争」を打ち消してしまうに違いない。

 台風ミレニオが首都圏を直撃した翌二十九日、マニラ空港は停電でエアコンが切れ、蒸し風呂となった。汗だくとなった乗客が暗闇を手探りで移動する中、ろうそくをともし業務を開始した。電気が復旧したのは十月一日だったが、空港側は消費電力を一気に増やすのは危険だと判断し、エアコンの運転を見送った。二日にはエアコンの運転が再開されたが、午後には再度停電。代用として大型の扇風機が空港内に持ち込まれた。

 今回の停電騒動に運悪く遭遇した外国人観光客も多くいたことだろう。悪夢のような体験を経た彼らが、フィリピンを再び訪れることがあるだろうか。マニラ空港は台風のない晴れた穏やかな日でも、換気状態は悪い。その上、清潔でトイレットペーパーのある近代的なトイレさえ完備されていない。わが国の「主要玄関口」はまさに「国辱」と化している。(3日・スター)

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