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9月25日のまにら新聞から

比の異教徒同士の共存

[ 675字|2006.9.25|社会 (society)|新聞論調 ]

ローマ法王の失言への反応

 ローマ法王ベネディクト十六世のイスラム問題での失言が世界的論争を巻き起こしている。比のイスラム教徒たちは法王失言への怒りを外に表さず、心の中にしまっているに違いない。私はこの国のイスラム教徒の口から失言への反発が飛び出すのを聞いていない。比のイスラム教徒は外国の同教徒に比べ、それほど狂信的ではないのだ。

 われわれは、比南部でのイスラム教徒との紛争が非宗教的な問題にとどまっていることに感謝すべきだ。イスラム最大勢力のモロ民族解放戦線(MNLF)は、政治的独立に焦点を当てる一方、イスラム急進派のモロ・イスラム解放戦線(MILF)が重視するのは「父祖伝来の土地認知問題」。どちらも宗教の問題ではない。

 しかし、欧州や中東では、宗教、特に解決困難な問題について口論している。武力を肯定したイスラム教文学を引用した法王の発言が、その口論の発端となった。この発言は、武力が信仰拡大の手段として使われていたことを思い出させた。

 イスラム教団体が、対イスラム攻撃の意図はなかったという法王やバチカン側の釈明を拒むのは理解しがたい。その理由のひとつは、イラクやパレスチナでの混乱、そしてレバノン紛争でキリスト、イスラム両教徒が分断を強めているからだと思っている。

 われわれは、今行っている異宗教間の和平と共存の実現を目指すべきだ。私は、ルソン島北部でイスラム教徒がキリスト教徒住民に歓迎されるという話を聞いたことがある。同様に両教徒が共存するミンダナオでは宗教の違いに縛られることのない生活が営まれている。(19日・タイムズ、フリウス・フォルトゥナ氏)

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