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6月12日のまにら新聞から

困窮でも自殺せず

[ 646字|2006.6.12|社会 (society)|新聞論調 ]

比日の自殺問題考

 最近のニュースで、〇五年一年間に日本で自殺した人は三万二千五百五十二人に上ったと報じられた。人数は〇四年より微増し、全体の三分の二以上が男性で、平均して毎日百人余りが自殺している計算になる。

 日本人は世界で最も裕福な国民の一つだ。自殺率の高い国はスウェーデン、豪州、米国といずれも経済的に豊かである。

 一方、比人は生活が困窮しても、自殺することを嫌う。食べる物がなく、政治家にだまされてもだ。

 日本では公金横領を暴かれた政治家は自殺する。比では多くの政治家が公金を横領し、私腹をさらに肥やして生活が快適になるため、ますます自殺などしない。

 日本では恥辱のほかに、過労によるストレスや健康、経済問題が自殺の原因になっている。また、サムライの時代にあった「儀式的な償い」のような自殺もある。今日、自殺は「挫折から逃れ、愛する人を困惑や経済的な損害から救う方法」なのだ。

 日本人はキリスト教徒ではなく、比人のように宗教で禁じられているわけではないので、自殺には寛容だ。だが、たとえわれわれの宗教が許したとしても、比人は自殺しないだろう。とても苦しく、空腹で困窮し、病気が重く、不名誉で不幸で、とても醜くくてもだ。ヒルが肌に吸い付くように、比人は厳しい人生にしがみつくのだ。

 われわれはキリスト教によって、楽園という至福が天国で待っていると教えられている。だが、たとえ現世が厳しくても、天国へ昇る日を引き延ばすことに努めている。(5日・ピープルズ・ジャーナル、マヌエル・マルティネス氏)

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