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6月5日のまにら新聞から

防災対策の重要性

[ 655字|2006.6.5|社会 (society)|新聞論調 ]

ジャワ島地震が残した教訓

 「あと知恵」が知性の中で最も低いとすれば、予想、予防対策は最も高い知性だ。フィリピンは非常に幸運だ。南レイテ州のような小規模災害は経験したが、米ニューオーリンズ州を襲ったハリケーンやインドネシア・ジャワ島で発生した地震(死者約六千人)などの大災害は起きていない。

 アジア開発銀行は二〇〇四年末のインドネシア・スマトラ島大地震・津波への救援・復興に全力を挙げ、ジャワ島中部地震被害者への生活再建に全面協力を約束した。

 首都圏を襲った最後の台風や地震を覚えている者は少ない。遠い昔だからだ。自然災害が起きた時のことを考え、常に準備すべきだと住民に伝えることが重要だ。台風、大雨への警戒を怠ってはならない。台風は住居を破壊し、大雨は洪水を引き起こす。

 河口のゴミ掃除を毎年しなくてはいけない。多くの住民がゴミを河口に投げ捨て、大雨が降ると洪水になり路上にあふれ出る。洪水被害回避のために、自分の住まいや環境で防災対策を講じるよう伝えられているにもかかわらず、取るべき手法は教えられていない。最初に、自分の住居を守る対策を講じるべきだ。だが、住居の所有者はどんな対策を行っているのだろうか。

 首都圏は台風や地震の発生が少ないが、起きるのは時間の問題だ。今度こそ準備しよう。被害軽減に向けて、われわれは必要な対策を実施できるはずだ。

 隣国インドネシアの地震被災者に追悼の意を再度示したい。世界全体が被災者救援に乗り出している。世界は一つの村であり、全員が家族なのだ。(30日・スター、アレハンドロ・ロセス氏)

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