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3月27日のまにら新聞から

国民主導の改憲案浮上

[ 659字|2006.3.27|社会 (society)|新聞論調 ]

上院廃止狙う与党陣営

 二〇〇五年七月の施政方針演説でアロヨ大統領は「時代が議院内閣制と連邦制への移行を迫っている。改憲実現へ大いなる議論を」と呼び掛けた。掛け声とは裏腹に、演説から現在に至るまで議論が尽くされたとは到底言えない。改憲作業は大統領府や一部国会議員らにコントロールされ、見せかけの「議論」が続いている。

 連邦制、議院内閣制という改憲の中核を成す部分についても議論は不十分だ。例えば、連邦制への完全移行の時期や方法、中央政府と州政府の権限配分はいまだ不明確。議院内閣制では「アロヨ大統領の延命、もしくは現政権の正統性に絡む問題を清算するための手段にすぎないのではないのか」という疑念すら抱かせる。

 上院廃止による一院制国会も重要な議論対象。しかし、議論の中心になるべき上・下両院は「上院廃止の是非」をめぐって激しく対立し、議論は袋小路へ入るばかりだ。

 議論が行き詰まる中、これまでの改憲議論をすべてご破算にして仕切り直そうとする案が浮上している。それは、バランガイ(最小行政区)から州まで「政治マシーン」を総動員して「国民主導の改憲発議」を目指すやり方だ。

 改憲対象は「上院廃止」の一点のみ。もし、この改憲案が国民投票で承認された場合、現在よりはるかにたやすく憲法を再改正する道が、一院制新国会の前に現れる。「国民主導の改憲」が実現した時、現政権は「民主主義が勝利した」と大々的に宣言することだろう。同時にそれは、議論や説明責任を回避して政治生命延命を図った大統領ら与党政治家の勝利でもある。(24日・インクワイアラー)

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