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3月6日のまにら新聞から

民主主義への侵略

[ 675字|2006.3.6|社会 (society)|新聞論調 ]

非常事態宣言

 アロヨ大統領はマルコス下院議員とエストラダ上院議員にメダルを授与すべきではないか。高まった反政府気運も、両議員が登場するとたちまち、民衆の志気が収縮してしまう。二人はいわばピープルパワーの「解毒剤」なのだ。

 現政権が展開する民衆操作などの戦略は民衆の力を無力にし、民主主義内のはけ口は閉ざされた。あえて指摘するなら、ピープルパワーが比民主主義の生みの親なのだ。共和国憲法にも、主権行使は(必要であれば街頭で)、国民が持つ権利と明記されている。政府に対する国民の蓄積した苛立ちを反映するように、感情をむき出しにしたとしても、比国民は平和的に行動する。

 ロクシン下院議員は下院議会で二月二十七日、国民に冷水を浴びせるような演説を行った。「反政権派が集結したところでも、大統領は莫大な無関心しか生み出さない。大統領を守護するのは軍・警察だけだ。ピープルパワー不在の中、現在の国家的危機は、軍・警察のみが大統領および比民主主義の唯一の仲裁人となっていることだ」。

 非常事態宣言が合憲か否かは最高裁が決めることだが、国民は現政権が示した民主主義に対する規制に沈黙すべきでない。弾圧は現政権の生き残りをかけた最後の切り札であるだけでなく、民主主義と政府を死滅へと導くだろう。狭められる民主主義の領域で国家全体は閉所恐怖症へと向かい、混乱と恐怖をもたらす。「静観する大多数」の支持を得ているとの大統領の主張は疑わしく、民衆の声に耳を傾けるのが怖いように映る。それとも、大統領は半永久的な国内混乱に突き進む道を望んでいるのだろうか。(1日・インクワイアラー)

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