怠惰を助長するな
祝日振り替え
もしアロヨ政権が本気で経済浮揚に取り組む気があるならば、まずやるべきことは、突然、祝日を振り替えて休日を設定するナンセンスな政策の中止だ。ビジネスのスケジュールは台無し、学校の授業日数は減り、誰も喜ぶことはない。
大統領府は、「英雄の日」を日曜日の八月二十八日から二十九日に振り替え、政府機関を対象とする「特別非就労休日」にした。急な日程変更を避けたいビジネス界の要請に応え、民間企業は対象外とされたが、これは至極もっともな話だ。
フィリピン経営者連合会(ECOP)は、祝日を休日の前後に振り替える「ホリデー・エコノミクス」をやめるよう政府に求めている。三連休で国民を観光に駆り立てるのが政府の狙いだが、経済活動に悪影響を与えているとECOPは指摘する。
ECOPによると、特に製造業で、臨時休日の影響が大きい。操業や整備の日程が狂う上、休日手当を支払わなければならないのでコスト増となる。
外国人商工会議所も臨時休日が計画なしに思いつきで決められていると非難。スケジュールの調整が付くよう、少なくとも半年前には臨時休日の日程を発表するよう求めている。
同感である。祝日を振り替えて休日を増やすことは、のんびりし怠けたがるこの国の風潮を助長し、勤勉さと労働が求められる時代の流れに逆行する。
また、祝日を簡単に振り替えることには感心しない。例えばリサール・デーは十二月三十日、勇者の日は四月九日であることに意義がある。長期の休暇と引き換えに祝日を振り替えることは、先人たちへの不敬となる。(8月31日・スタンダードトゥデー)