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4月11日のまにら新聞から

米国の介入を許すな

[ 684字|2005.4.11|社会 (society)|新聞論調 ]

対MILF和平交渉

 三月三十日、米太平洋軍のファロン司令官は、イスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)がアブサヤフや東南アジアのテロ組織、ジェマ・イスラミアとつながっていると発言した。発言自体は何も目新しいものではなく、一般的に事実として受け取られている。

 米軍の声明は米文民政策に反映する。ヒル米国務次官も先週、同様の発言をし、米国政府がMILFをテロ組織リストに含める用意があると付け加えた。この脅迫とも受け取れる声明も新しいものではないが、問題はそのタイミングである。

 今月十六日に比政府はMILFの代表団と和平交渉を行う。今回の交渉では交渉団の一員であるデレス大統領顧問(和平担当)が言うように「祖先伝来の土地に関する問題を実質的に話し合う」予定で、交渉の進展が期待されている。

 米国の意図ははっきりしている。米国はこれらの声明を通じてMILF側に制裁をちらつかせ和平交渉を進展させたいと考えているのだ。デレス顧問もこれを意識し「和平交渉を開始する前に、MILFからテロ組織との関連をはっきり否認することを求める」と述べている。しかし、米国が和平交渉に介入することは同顧問も「感謝するが、余計なお世話」としている。その通りである。

 比政府が米国の飼い犬と見られれば、交渉相手をかたくなにさせるだけで交渉は暗礁に乗り上げるだけだ。デレス顧問をはじめとする比政府交渉団の肩にかかる責任はますます大きくなっている。米国の利害に関係なくこの交渉を成功させるべきである。MILFも米国の介入を排除させるためにもテロ集団との関係を断ち切るべきだ。(6日・インクワイアラー)

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