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3月21日のまにら新聞から

言語混成で能力低下

[ 740字|2005.3.21|社会 (society)|新聞論調 ]

比の英語問題

 人気コメディードラマのタイトル「Home Along da riles(線路沿いの家)」はわれわれが抱える英語問題を象徴している。この一節だけで英語とタガログ語、スペイン語が混合されているのだ。Home Alongは米映画「ホーム・アローン」のタイトルを取って英語だが、daは英語のtheを「ダ」と発音するタガログ語風に表記、rilesはスペイン語のrieles(線路)を崩した言葉になっている。

 海外に長期滞在して帰国したフィリピン人からは、マニラの人々やタブロイド紙、テレビのCMが用いる言葉が理解できないと不満が出ている。「もはやだれもタガログ語も英語も知らないのか」。友人の一人はそんな疑問をわたしに投げ掛けた。

 タグリッシュ(タガログ語と英語の混成語)に何が起きたのか。われわれは百年におよぶ英語教育の歴史を持つ。米国占領期時代の最初の五十年間、英語は授業で唯一使用される言語だった。だが、独立と国家アイデンティティーの模索によってアメリカ英語の質は落ちた。国際的な立場と国のアイデンティティーの両方を満たそうとする努力がフィリピン人の英語を乱してしまった。人々は英語でどう表現していいか分からない時にはタガログ語を挿入し、タガログ語が駆使できない時には英語を代用している。

 言語の専門家が指摘するように、比の英語環境は①自宅や親しい人との間でタグリッシュ②政府職員や教師が使うフィリピン英語③米英の報道番組や雑誌、外交官などが使う国際標準の英語︱︱の三種類に分かれる。ここ数年、国内外でコールセンターや介護分野の需要が急速に増えているが、大半のフィリピン人が国際水準の英会話能力を有しないとして、就職の機会を失っている。(16日・マラヤ、カルメン・ナクピル氏)

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