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8月30日のまにら新聞から

汚職追放が前提

[ 700字|2004.8.30|社会 (society)|新聞論調 ]

財政危機の克服

 アロヨ大統領が宣言した財政危機を解決する簡単な方法はない。大統領が危機を認めた結果、ペソ安と株価下落が進み、財政赤字の縮小を実現するため緊縮財政を実施する緊急性が高まった。しかし、大統領の提案はどれも人気がない。納税者が自分の収入から多くのものを搾り取られるのを嫌うのは当然のことだ。

 強力な権限を持つリーダーは国民に薬を飲ませるのに苦労しないものだ。しかし、エドサ革命2の翼に乗せられて権力の座についたアロヨ氏は、大統領選の結果についてまだ抗議を受け続けており、必要でありながら人気のない政策を実施するのに苦労を強いられてきた。彼女は国会議員の協力も利用できたが、議員らが人気のない政策を法案化させるのはまれであった。

 これまでのところアロヨ政権は携帯電話の文字メールへの課税案を撤回し、タバコやアルコールなどへの増税案も棚上げしてきた。自暴自棄となった議員は整形手術に対する増税案まで提案している。状況は差し迫っており、専門家はフィリピンが三年以内に債務不履行(デフォルト)を宣言せざるを得ないと警告している。

 政府が出来ることは限られている。一つはすべての官僚組織において緊縮財政を実施することである。省庁だけでなく、国会や司法当局に対しても緊縮財政の実施を命じなければならない。効果を生むには強いリーダーシップが必要だ。

 大統領は財政危機を認め、国民に対し、収入の増加をあきらめるなどして犠牲を払うことを求めた。国民の協力を得るためには政府はまず汚職体質を払しょくせねばならない。公金が合法的に使用されているのを見れば、国民も新税導入に柔軟に対応できるであろう。 (24日・スター)

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